「プログラミング=理系」はただの固定概念
「プログラミングは文系に向かない」、これは日本人ならば誰もが漠然と抱いている概念でしょう。最近は「リケジョブーム」などで比率は均質化へ向かっていますが、依然女性は文系出身率が高く、総じてプログラマーに向かないと思われがちです。しかし、そもそも「文系」と「理系」とは、明治期以降に輸入されてきた学問を区分する「学科」という概念を深く考慮せずに分類した結果、分けられたものなのです。キリスト教圏では「神が作った世界=自然」を「サイエンス」、「人間が作ったもの」を「アート」と分類しており、サイエンスに含まれる社会科学や心理学が日本では理系ではないなどの細かい違いがあります。
従って、日本における文理の別とは近世以降に作られた曖昧な固定概念にしか過ぎないのです。そもそもプログラミングは命令式を積み重ねて構築されたものであり、物事の段取りをつける作業と同じです。これは、元素や物理式のレベルから科学的に理解していなければ扱えないというものではありません。人間が構築した概念に段取りをつけるのは、まさに「アート」の範疇に属するものですので、「サイエンス」が主体になる理系でなければ向いていないという発想は辻褄があっていないと言えます。
同様の論理で、プログラミングの分野から「向いていない」として女性を締め出すことは全くもってナンセンスです。もしかすると、男性以上に女性の方がプログラマーに向いているかもしれません。